雇用を維持する会社を応援する制度「雇用調整助成金」

バブルが崩壊を始めた1990年代以降、日本の経済成長は低迷しております。日本がデフレ経済の状況に陥る今、会社を存続させるためにリストラを行う企業も増えてきました。経済上の理由で会社をたたもうとしている経営者様はちょっと待った!!実は、雇用を維持しようとがんばる会社に国は助成してくれます。この記事では「雇用調整助成金」について解説するとともに、どうしたらもらえるのか、なぜもらえるのかについて説明していきます。
最後まで見てもよくわからない方はお問い合わせフォームからご質問していただくか、弊社HPより直接お伺いください。

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目次

雇用調整助成金の概要

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。

受給できる事業主

雇用調整助成金を受給するためには、各助成金の「対象となる事業主」に記載した要件+次の1~3の要件をすべて満たすことが必要になります。

1 雇用保険適用事業所の事業主であること
2 支給のための審査に協力すること
(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など
3 申請期間内に申請を行うこと

実は、申請期間内に申請し忘れて受給できなかったという失敗は助成金あるあるの一つです。
申請期間内に必ず申し込む”ということが必須要件になっておりますので、お忘れなきようお願いいたします。

受給できない事業主

以下の1~7のいずれかに該当した場合、雇用調整助成金は受給することができません。
ご注意ください。

1 不正受給をしてから3年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主
※不正受給とは、偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けまたは受けようとすることを指します。例えば、離職理由に虚偽がある場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合であるなど)も不正受給に当たります。

2 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)

3 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

4 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主
※これらの営業を行っていても、接待業務等に従事しない労働者(事務、清掃、送迎運転、調理など)の雇い入れに係る助成金については、受給が認められる場合があります。また、雇い入れ以外の助成金についても、例えば旅館事業者などで、許可を得ているのみで接待営業が行われていない場合や、接待営業の規模が事業全体の一部である場合は、受給が認められます。なお、「雇用調整助成金」については、性風俗関連営業を除き、原則受給が認められます。

5 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

6 事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

7 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主

8 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

補足

労働保険料(労災保険と雇用保険の保険料)を納入していない場合は受給できませんが、延滞金のみ支払いができていない場合は、受給することができます。詳しく知りたい場合は、 お問い合わせフォームからご質問していただくか、弊社HPより直接お伺いください。

中小企業の範囲

雇用調整助成金には、助成内容が中小企業か中小企業以外かで異なるものがあります。

産業分類資本金の額・出資の総額常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

※医療法人などで資本金・出資金を有している事業主についても、上記の表の「資本金の額・出身の総額」か「常時雇用する労働者の数」により判定します。
※「資本金の額・出資の総額」と「常時雇用する労働者の数」のどちらも満たしていない場合は大企業と判定されます。

不正受給

助成対象となる「休業」を実施していないにもかかわらず実施したものと偽って支給申請を行うなど、不正が認められた場合、次のような厳しい措置がとられます。

不正受給と判定された場合の措置

1 支給前の場合は不支給となります。

2 支給後に発覚した場合は、支給された助成金を返還しなければなりません。

3 支給前の場合であっても支給後であっても、不正受給の処分決定日から起算して3年間は、その不正受給に係る事業所に対して雇用関係助成金は支給されません。

4 不正の内容によっては、不正に助成金を受給した事業主が告発されます。詐欺罪で懲役1年6か月の判決を受けたケースもあります。

5 不正受給が発覚した場合には、原則事業主名等の公表を行います。
このことにあらかじめ同意していただけない場合には、雇用関係助成金は支給されません。

6不正の事実があった時点以降のすべての受給額の返還+不正受給の日の翌日から納付の日まで年3%の割合で算定した遅延金+不正受給により変換を求められた額の20%に相当する額を請求されます。

生産要件

企業における生産性向上の取組みを支援するため、雇用関係助成金を受給する事業主が次の1および2を満たしている場合に、助成金の割増等が行われます。生産性要件の対象となる助成金は、3のとおりです。生産性要件を満たす場合の助成額または助成率は、各助成金で解説します。

1 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、以下のいずれかに該当すること。
(1)その3年度前に比べて6%以上伸びていること
(2)その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること(※)

(※)この場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること
☞「事業性評価」とは、都道府県労働局が、助成金を申請する事業所の承諾を得た上で、事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を与信取引等のある金融機関に照会させていただき、その回答を参考にして、割増支給等の判断を行うものです。
なお、「与信取引」とは、金融機関から借入を受けている場合の他に、借入残高がなくとも、借入限度額(借入の際の設定上限金額)が設定されている場合等も該当します。
(注1)計画等から一定期間経過後に生産性を向上させた場合(伸び率が6%以上)にのみ支給される助成金があります。
(注2)人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)の生産性要件については、上記の取扱いと異なります。

2 1の算定対象となった期間(支給申請を行った年度の直近年度及び当該会計年度から3年度前の期間)について、雇用する雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除く)を事業主都合によって解雇等(退職勧奨を含む)していないこと。

生産性の計算式

※付加価値とは、企業の場合、営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課、の式で算定されますが、企業会計基準を用いることができない事業所については、管轄の都道府県労働局にお問い合わせください。
※なお、生産性の算定要素である「人件費」について、「従業員給与」のみを算定することとし、役員報酬等は含めないこととしています。

留意事項

1 都道府県労働局に提出した支給申請書、添付資料の写しなどは、支給決定されたときから5年間保存しなければなりません。
2 同一の雇入れ・訓練を対象として2つ以上の助成金が同時に申請された場合や、同一の経費負担を軽減するために2つ以上の助成金が同時に申請された場合には、双方の助成金の要件を満たしていたとしても、一方しか支給されないことがあります。
3 本パンフレットに記載された雇用関係助成金の支給・不支給の決定、支給決定の取消しなどは、行政不服審査法上の不服申立ての対象とはなりません。

受給額

 受給額は、休業を実施した場合、事業主が支払った休業手当負担額、教育訓練を実施した場合、賃金負担額の相当額に次の(1)の助成率を乗じた額です。ただし教育訓練を行った場合は、これに(2)の額が加算されます。(ただし受給額の計算に当たっては、1人1日あたり8,265円を上限とするなど、いくつかの基準があります。)
 休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大150日分受給できます。出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

助成内容と受給できる金額中小企業中小企業以外
⑴休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)
※対象労働者1人あたり8,265円が上限です。(令和3年8月1日現在)
2/31/2
⑵教育訓練を実施したときの加算(額)(1日1人あたり)
1,200円

支給までの流れ

緊急対応期間中の特例として「計画届」の提出を不要としています。

新型コロナウィルス感染症の影響に伴う特例

上記以外にも、時と場合によっては、各種特例措置が敷かれます。
現在ですと、新型コロナウィルス感染症の影響に伴う特例が行われております。

概要

雇用調整助成金とは、「新型コロナウイルス感染症の影響」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。
また、事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となります。

支給対象となる事業主

新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。

  1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  2.最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している(※)
   ※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。
  3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

助成対象となる労働者

事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、「雇用調整助成金」の助成対象です。
学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)

助成額と助成率、支給限度日数

(平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率 (1人1日あたり上限額は下表参照)

※平均賃金額の算定について、小規模の事業所(概ね20人以下)は簡略化する特例措置を実施しています。

(注)金額は1人1日あたりの上限額、括弧書きの助成率は解雇等を行わない場合

【令和4年1月から】
原則的な措置では、「令和3年1月8日以降の解雇等の有無」及び「判定基礎期間末日の労働者数が各月末の労働者数平均の4/5以上か」地域・業況特例では、「令和3年1月8日以降の解雇等の有無」 により適用する助成率が決まります。

※1 中小企業の詳細はこち

※2 売上高等の生産指標が最近3か月平均で前年又は前々年同期に比べ30%以上減少している全国の事業主が該当します。
    (判定基礎期間の初日が令和4年1月以降の場合は3年前同期との比較も可)

※3 緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域(職業安定局長が定める区域)の都道府県知事による要請等を受けて、営業時間の短縮等に協力する事業主が該当します。

〇雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当については、「緊急雇用安定助成金」として支給しています。

本助成金の支給限度日数は原則として1年間で100日分、3年で150日分ですが、緊急対応期間中(令和2年4月1日~令和4年3月31日)に実施した休業などは、この支給限度日数とは別に支給を受けることができます。

期間

この特例措置は、令和4年3月31日までの期間を1日でも含む賃金締切期間(判定基礎期間)が対象です。

最後に

雇用調整助成金をうまく活用できると、会社に大きなプラスになります。
ただし、扱いには細心の注意が必要です。
不正受給と判定されてしまうと、取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
もちろんご自身で申し込みもできますが、不正受給とならないよう、助成金について知識のある専門家に頼ることが良いかと存じます。
雇用調整助成金を活用されたい経営者様は、 お問い合わせフォームからご質問していただくか、弊社HPよりぜひお問い合わせください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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